臨床で生まれた問いを、微生物学、遺伝学、組織生物学へとつなげています。博士論文では、人類の歴史や環境変化とゲノムとの関係も検討しました。
現在の研究
Geneformerによるin silico摂動
現在は、Geneformerによるin silico摂動と、bulk RNA-seqに応用したCellOracle型の摂動モデルに取り組んでいます。予測を実測の応答と照合し、単純な基準モデルを上回る情報が得られるかを検証しています。
単一細胞のトランスクリプトームで遺伝子の欠失や過剰発現を模擬し、細胞状態の変化を予測します。学習に使っていないドナーや独立したデータで確かめ、無作為に選んだ遺伝子への応答とも比較します。
bulk RNA発現の摂動予測
CellOracle型の遺伝子制御ネットワークをbulk RNA-seqに応用し、転写因子の変化を模擬します。予測した発現変化をノックアウトやノックダウンの実測値と比較し、接続を入れ替えたネットワークや共発現モデルでも検証します。
転移因子
転移因子(TE)の発現も、この研究の対象です。どの制御因子が関わるかを調べるとともに、TE自体の転写と周辺領域からの転写の読み通しを区別して解釈します。
感染症と抗菌薬耐性
H. pylori の研究はカザフスタンの患者から始まります。診療情報、培養、疫学、抗菌薬感受性試験を結び、地域のサーベイランスや治療判断に役立つ証拠を目指します。
患者とケアに関する研究
診断の遅れ、遺伝性がん、免疫疾患、緩和ケアを扱っています。臨床で使える結果にするため、研究計画から解析、解釈まで患者の問いを見失わないことを重視しています。
古代人ゲノムとポリジェニックスコア
古代人と現代人のゲノムでポリジェニックスコアを比較しています。不完全な古代DNA、集団の違い、現代の効果推定値を別の祖先集団や時代へ適用する限界を明示します。
海洋酸性化と転移因子(TE)
博士論文では Acanthochromis polyacanthus の脳トランスクリプトーム72試料を解析しました。対照群、急性曝露群、発生期曝露群、世代間曝露群を、親の耐性表現型も考慮して比較しました。転写量の違いだけでは、転移活性や制御機構は証明できません。
沖縄の写真はフィールドの背景を示すものです。実験データは、オーストラリアのパーム島付近で採集された親魚から飼育下で得た子世代に由来します。
機械学習とバイオインフォマティクス
他の研究者が確認し、再実行できる解析手順を作ります。入力、評価の範囲、うまくいかなかった点を記録し、生物学的な解釈を大切にしています。
共同研究
カザフスタン、日本、オーストラリア、米国の研究者や指導者との協働に支えられています。